JR西日本の主要線路『JR神戸線』は、関西で通勤や通学に欠かせない路線のひとつですが、遅延が多いことがたびたび問題になっています。
そして、JR神戸線は人身事故が多いと感じてしまいますが、ほんとうに多いのでしょうか。
そこでこの記事では、こんなことを調べてみました。
どうぞ、最後までお付き合いください。
JR神戸線の遅延問題
2024年6月19日、JR神戸線「須磨海浜公園駅」で人身事故が発生し、大幅な遅延が発生しました。
事故が起こったのが早朝だったため、通勤客を含む8万1000人に影響が出ています。
事故が起こらなくても、JR神戸線は10~20分程度の遅延は日常茶飯事だという声もあります。
数多くある路線のなかで、「JR神戸線は遅延が多い」といわれるのはなぜなのでしょうか。
JR神戸線は東海道・山陽線の1部区間
実は、JR神戸線は正式な路線名ではありません。
JR神戸線は、東海道本線の大阪~神戸の区間と、山陽本線の神戸~姫路の区間に付けられた愛称です。
また、阪急電鉄の神戸線と区別するため、JR西日本の神戸線から、JR神戸線と呼ばれています。
JR神戸線は、JR西日本が管轄する京阪神エリア(アーバンネットワーク)の主要路線という位置づけから、JR西日本のコーポレートカラーである青がラインカラーに選ばれています。
利用者はもちろん、JR西日本にとっても重要な主要路線であるJR神戸線ですが、遅延をなくすことはできないのでしょうか。
遅延の原因はマナー違反や事故が9割
電車が遅延してしまう原因の中で、10分未満の小規模な遅延の、約9割が利用者が関係する外部要因といわれています。
小規模な遅延の外部要因と割合をまとめてみました。
国土交通省の調べによると、遅延原因は駆け込み乗車などのマナー違反が63.2%も占めているという結果になりました。
車両や設備の故障などの内部要因は6%ほどしかありません。
また、30分を超える遅延の原因をまとめたものがこちら。
つまり、電車の遅延は利用者が改めないと改善されることはないといえそうです。
JR神戸線は人身事故が多すぎる
遅延が多すぎて慣れてしまった人もいるJR神戸線ですが、人身事故の多さは慣れることができません。
利用者だから事故が多いと感じてしまうのかと思いきや、勘違いではなさそうです。
2023年の人身事故の件数を調べてみると24件もありました。
これは、全国で4番目に多く、東京を除けばもっとも多い件数になります。
JR神戸線では、今年もすでに9件の人身事故が起きていて、ほとんどの方がお亡くなりになっています。
計算上、1ヵ月に1.5回起きるという異常としかいえない状況です。
JR神戸線の遅延が多い理由5選
電車が遅延する原因でもっとも多いのは外部要因に関することでしたが、JR神戸線だから遅延する理由もあるようです。
JR神戸線の遅延が多い理由を5つまとめてみました。
それでは、詳しくご説明します。
① 阪神をつなぐ主要路線だから
JR神戸線は主要路線の中でも、線路距離がとても長いので遅延しやすいと考えられます。
JR神戸線の路線距離は87.9キロにおよび、これは同じ主要路線であるJR京都線の2倍以上の長さです。
駅数も39駅と多いので、駆け込み乗車などの遅延が起こるリスクが高いといえます。
② 直通運転の影響を受けている
JR神戸線は大阪と姫路間を往復しているだけではありません。
いくつもの路線と直通運転しているので、どこかで遅延が発生するとすべての路線に影響がでやすくなっています。
ほかにも、一部の特急列車もJR神戸線を走るので、特急列車が遅延の原因になることもあるようです。
③ 営業キロ(運行距離)が長すぎる
電車が運行する距離、つまり営業キロが長すぎるのも遅延の多さに関係しているといえそうです。
営業キロは行先によって異なりますが、快速と新快速は150km以上を運行することが多くなっています。
たとえば、湖西線「近江塩津駅」からJR神戸線「姫路駅」を運行する電車は約300キロも走行します。
営業キロが伸びれば伸びるほど、トラブルが起こる確率は上がるので、遅延との関係は否定できません。
④ 新快速列車に混雑が集中している
大阪、神戸に住む利用者にとって新快速はとても便利です。
新快速は、用のない駅を通過して主要都市を結んでいるので、通勤や通学にはなくてはなりません。
そのため、快速・普通列車よりも利用客が集中し、かなりの混雑が発生してしまいます。
多くの利用者が集まることで、駅での停車時間を超過してしまい、先の駅で連絡待ちしている快速・普通列車にも影響がでる悪循環が起こっています。
⑤ 快速・新快速列車が多い
快速・新快速列車の円滑な運行のために、専用の線路「複々線」が敷かれています。
JR神戸線の複々線は日本一の長さがあり、猛スピードで駅のホームを駆け抜ける光景は日常です。
新快速の最高速度は130kmで、もし電車と接触してしまう、とひとたまりもありません。
つまり、故意にぶつかるには好都合なわけです。
明石駅から続く、朝霧、米子、垂水、塩屋、須磨は人身事故が多いことで有名です。
そして、どの駅も新快速は止まらずに通過します。
また、頭文字を読むと「ああ またしす」となり、サブリミナル効果があるのでは?という都市伝説も存在しています。
まとめ
JR西日本の主要線路『JR神戸線』は、関西で通勤や通学に欠かせない路線のひとつですが、遅延が多いことがたびたび問題になっています。
新快速の最高速度は130kmで、もし電車と接触してしまうと、ひとたまりもありません。
事故を防ぐために、ホーム柵の設置工事が進んでいますが、物理的に設置ができないホームもあるそうです。
故意、過失かかわらず、人身事故がなくなることを願っています。
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